完璧な母親

まさきとしか先生の『完璧な母親』を読了しました。


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まさきとしか先生です。
彼女の作品を読むのは初めてです。

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流産を重ね授かった最愛の息子が池で溺死。
絶望の淵で母親の知可子は、息子を産み直すことを思いつく。
同じ誕生日に産んだ妹に兄の名を付け、毎年ケーキに兄の歳の数の蠟燭を立て祝う妻の狂気に夫は怯えるが、知可子は歪な〝完璧な母親〟を目指し続ける。
そんな中『あなたの子供は幸せでしょうか』と書かれた手紙が……。


平易な文章で、余計な描写もなく、ある意味読みやすい小説でした。

3部構成となっていて
第1章は友高知可子と亡くなった兄の身代わりの妹・波琉子の物語です。

そして第2章は母親から虐待されて育った田尻成彦の物語で、まるで別の物語が挿入されているような印象がありましたが

第3章および終章で全てが繋がっていきます。

そのプロセスは大変面白かったのですが
メインストーリーの狭間に登場する人たちのエピソードが中途半端で
(もっと言えばムダにしか思えなかった💦)

さらに突き詰めて繋げていけばもっと面白くなったのではないかと思いました。

登場人物のほぼ全員が病んだ人たちでしたが
各々の心理描写と病理がイマイチの感じもありました。


亡くなった兄と同じ名前を付けられた妹…という本作の設定に、あのサルバドール・ダリを彷彿しました。
(以前このブログでお話したことがあったと思いますが)



半日もあれば読了できる小説です。
後味は決して良くありませんが
お時間があれば是非❗️