2020-05-01から1ヶ月間の記事一覧

影裏

沼田真佑先生の『影裏』を読了しました。第157回芥川賞受賞作です。『影裏』…“えいり”と読みます。沼田真佑先生です。医薬品を扱う東北の企業に勤める「わたし」は、同じ職場の日浅という男と親しくなる。日浅の転職を機にふたりは疎遠になってしまうが、東…

隠喩としての病

アメリカの作家スーザン・ソンタグの『隠喩としての病(Illness as Metaphor)』は大学の教養部時代に原書を読みました。特に難解な著作ではなく結構面白かったです。続編のエイズ編はお恥ずかしながら未だ読んでいませんスーザン・ソンタグ自身に関してはあ…

炎上上等

高須克弥先生の『炎上上等』を読了しました。「誰も言わないなら僕が言う! 」 僕は別に炎上させたいわけじゃない。 正しいことは「正しい」、間違っていることは「間違っている」 と言っているだけだ……。暴論か? 正論か! ? 数々の言動や破天荒な行動で物議を…

イノセント・デイズ

早見和真先生の『イノセント・デイズ』を読了しました。早見先生です。田中幸乃、30歳。元恋人の家に放火して妻と1歳の双子を殺めた罪で、彼女は死刑を宣告された。凶行の背景に何があったのか?産科医、義姉、中学時代の親友、元恋人の友人、刑務官ら彼女の…

死んでいない者

滝口悠生先生の『死んでいない者』を読了しました。第154回芥川賞受賞作品です。滝口先生です。秋のある日、大往生を遂げた男の通夜に親類たちが集った。子ども、孫、ひ孫たち30人あまり。一人ひとりが死に思いをはせ、互いを思い、家族の記憶が広がっていく…

愚行録

貫井徳郎先生の『愚行録』を読了しました。ええ、はい。あの事件のことでしょ?幸せを絵に描いたような家族に突如として訪れた悲劇。深夜、家に忍び込んだ何者かによって一家四人が惨殺された。隣人、友人らが語る数多のエピソードを通して浮かび上がる『事件…