蜘蛛の声
中村文則先生の短編小説です。
昨日紹介した『土の中の子供』に収録されています。
タイトルだけ見ると、芥川の『蜘蛛の糸』を想起させられますが全然違います。
本作は
蜘蛛の『声』=『幻聴』が聞こえる男のお話です。
橋の下の暗闇、世界から隠れる、意識が裂けていくような感覚、脳を刺すような硬い音・・・
様々なキーワードが撹乱しています。
男は統合失調症なんでしょうね。
↑職業柄、私はそう読んでしまいました。もし違っていたらすみません💦
『土の中の子供』よりもさらに閉塞感のある作品です。
『土の中の子供』が行き詰まり感を表現しているとしたら
この『蜘蛛の声』は混沌感…でしょうか?
・・・などと、勝手に解釈してみました。
興味がございましたら『土の中の子供』と併せてお読みいただき、その体感の違いがどんなものであったか私に教えてくださいm(._.)m