珠玉の短編

山田詠美先生の『珠玉の短編』を読了しました。


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久々に興味深い作品集に出会いました。

山田詠美先生と言えば、『ベッドタイムアイズ』で話題になった人…という認識ぐらいしかなくて

当時まだ子供だった私には性的な匂いが強すぎて生活圏外の作家でした。

中学生になった頃、早熟な友人が読んでいたのを目撃したことがありましたが

『こんなの読んだらきっと親に叱られるだろうなぁ』と密かに思っていました。

ワイドショーなどによく登場されていましたが、『エロスの象徴』とか『スキャンダラスなお姉様』のイメージが拭えず。

私のような“いいとこのお嬢”(笑)が接点を持つべき作家ではないな…と感じ取っていました。

↑今思えば完全に偏見でした。
ゴメンなさい。

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時は流れ
私も大人になり…

山田詠美先生はその後もたくさんの作品をお書きになられ、たくさんの賞を受賞されていらっしゃったようですが

私の記憶からはすっかり抜け落ちてしまっていました。

最近またお名前を聞く機会があったのは、又吉さんが『火花』で芥川賞を受賞された時…
選考委員をされていて、どこかのサイトでそのコメントを読みました。

まだ活躍されているんだなぁ…くらいの感想でしたが💦


で、先日、ふと立ち寄った本屋さんで見つけたのが冒頭の『珠玉の短編』でした。

もう私も大人だし読んでもいいよね?
短編だったら読みやすいし、嫌になったらすぐに止められる…

そんなことを思って購入しました。

ところがところが…
読めば読むほど彼女の“ワードファクトリー”の中にハマっていきました。

言葉遣いの感性と追求感がハンパない!

作品に盛り込まれたエロスと狂気が実にお茶目!

改めてすごい作家さんだなと思いました。


タイトルの『珠玉の短編』、第42回川端康成文学賞受賞作の『生鮮てるてる坊主』を始め
11編がおさめられています。

個人的には、『サヴァラン夫人』、『箱入り娘』、『虫やしない』、『鍵と鍵穴』が特に面白かったです✌️


是非!お薦めです!!