送り火
第159回芥川賞受賞作です。
高橋弘希先生です。
春休み、東京から山間の町に引っ越した中学3年生の少年・歩。
新しい中学校は、クラスの人数も少なく、来年には統合されてしまうのだ。
クラスの中心にいる晃は、花札を使って物事を決め、いつも負けてみんなのコーラを買ってくるのは稔の役割だ。転校を繰り返した歩は、この土地でも、場所に馴染み、学級に溶け込み、小さな集団に属することができた、と信じていた……。
新しい中学校は、クラスの人数も少なく、来年には統合されてしまうのだ。
クラスの中心にいる晃は、花札を使って物事を決め、いつも負けてみんなのコーラを買ってくるのは稔の役割だ。転校を繰り返した歩は、この土地でも、場所に馴染み、学級に溶け込み、小さな集団に属することができた、と信じていた……。
一言で言えば『イジメ』のお話です。
最初は他愛のない田舎の悪ガキの日常が『歩の視点』で綴られています。
他愛はないんだけど『何だかヤバイ感じ』が隙間に常に付き纏っていて
『取り返しのつかない何かが起こりそう』な予感が次第に強くなり
やがて読み進めていくうちにソワソワが止まらなくなりました。
そして最後は理不尽な閉塞感に苛まれてしまいました。
非常に衝撃的な作品であったとともに
極めて後味の悪い作品でもありました。
全般的に読みやすい文章でしたが
かなり筆力があり
精緻に描写された情景が物語の非情さを際立たせていたように思います。
さすが芥川賞受賞作!
圧倒感がありましたね〜!
決して明るい気分になれる作品ではありませんが
お薦めの一冊です。
是非!!