暗い越流

若竹七海先生の短編集『暗い越流』を読了しました。


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若竹七海先生です。
初読みの作家さんです。

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『短編小説の名手』と呼ばれているそうで
あのメイプル超合金カズレーザーさんイチオシの作家さんです。

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表題作をはじめ、5つの短編が収められていて
『蠅男』と『道楽者の金庫』は女探偵・葉村晶が主人公のシリーズ物のようです。

▪️蠅男
女探偵の葉村晶は、母親の遺骨を運んで欲しいという依頼を受ける。出向いた先の洋館でとんでもない事件に巻き込まれる……。

途中まではミステリアスで面白かったのですが、結末が呆気なかったように思いました。
ま、1編目はこんなものかな?と言った感じでした。


▪️暗い越流
凶悪な死刑囚に届いたファンレター。
差出人は何者かを調べ始めた『私』だが、その女性は5年前に失踪していた……。

第66回日本推理作家協会賞短編部門受賞作です。
謎解きの面白さが味わえる作品でした。
ただ…最後の4行がゾッとして後味が悪かったです。


▪️幸せの家
ライフスタイル雑誌『Cozy Life』の編集長が突然失踪した。雑誌の愛読者の中に犯人がいるのではないか?と思った編集者の『私』とフリーライターの南治彦は、取材と称してそれぞれのお宅訪問をするのだが……。

一見ふわっとしたお話のように思えましたが、最後の『私』の独白がかなりショッキングで、人間不信になってしまいそうな作品でした。


▪️狂酔
アルコール依存症の男・苅屋学が児童養護施設を併設した教会で人質をとって立て籠もる。
何故彼はこんなことをするに至ったのか?
幼少期からの自分の人生を振り返り、それを人質の前で語るのだが……。

5編の中で私はこれが一番面白かったです。
いろいろな人間模様が描かれていて
そのエピソードがどれも気持ち悪かったです😭
特にラスト1行は吐きそうになりました💦
心が撹乱される作品です。


▪️道楽者の金庫
こけし収集家で資産家だった男性・後宇多啓介が亡くなり、その娘から、『金庫の鍵の番号が書かれたこけしが別荘にあるので持ってきて欲しい』と遺品整理人の土橋は依頼を受ける。
土橋はその任務を代わりにやって欲しいと女探偵・葉村晶にお願いするのだが……。


この作品も面白かったですね〜♪
先の『狂酔』と甲乙つけがたい💦
最初の方は聞いたことがないミステリー作家やその作品の名前が羅列されていて退屈でしたが
後半からお話が急に展開し
そして
まさかのオチ❗️
良かったです✌️


毒がある作品ばかりですが
結構楽しめる短編小説が詰まっています。
是非‼️