森に眠る魚
角田光代先生の『森に眠る魚』を読了しました。
東京の文教地区で育児を通じて親しくなった5人の母親たち。
「受験は子供の意志に任せる」はずだった彼女たちは、いつの間にか受験という名の森に迷い込み、心を許し合っていたはずの5人の関係は異様なものへと変容していく……。
1999年に起きた『音羽お受験殺人事件』がモチーフになった作品です。
面白かったのですが、後味の悪いお話でした。
5人のママ友について…
▪️繁田繭子
開けっぴろげで飾らない性格の元ヤン。
5人の中で一番年下で、教養も品格もない。
家の中は不潔で、幼子にスナック菓子を好きなだけ与え、すぐ人にたかるような図々しい女。
私の一番嫌いなタイプの女性ですね💦
▪️久野容子
自分に自信がなく常に猜疑的。被害妄想も強い地味な女。そこそこの学歴はありそうだけど、多分一番頭が悪い。
お友達になりたくないタイプ💦
こういう人がそばにいたら依存されるか嫉妬されるかのどっちかで怖い😭
物語の前半では彼女が一番まともに見えましたが、次第に豹変していきます。
▪️高原千花
高級マンションに住むセレブママ。
美人で気立てが良く、『子供を叱らない』という教育方針を持っている。
感情移入は出来ないけれど、私的にはこの5人の中で一番マシだと思いました。
▪️小林瞳
臆病で慎重で不器用。やや過敏すぎるところがあるが、一番平均的な感じの主婦。
言っていることは正論だけど、どこか無理がある。
物語の中盤〜後半にかけては彼女が一番まともに見えました。
ところが…
摂食障害を患っていたり、宗教活動にのめり込んだり、そこで出会った男性と結婚したり…
ん?
音羽お受験殺人事件の犯人とプロフィールが同じ?
最初は久野容子がモデルだと思っていましたが、一番普通っぽい小林瞳がどうやらモデルみたいです💦
▪️江田かおり
マダムと呼ばれるような超セレブママ(高原千花のさらに上をいく!)。
元は出版社に勤めるキャリアウーマンだった。
その頃の上司と不倫をしている。
一番悲しい女だと思いました。
妻としてママとしてサイテーな女ですが、主婦としてのセンスと家事能力はスゴイ人!
…といった具合に
個性も背景もそれぞれのおばちゃんたちが登場します。
全員に共通しているのは
一言で言えば
視野が狭い女たち
です。
母になると
専業主婦になると
あんな風になっちゃうんでしょうか?
女ってつくづくバカなんだなぁ…って思いました。
読み応えのある作品ですので是非❗️
角田光代先生の文章は平易で読みやすいので、一気に読了できます。
心を陰鬱になりますが(笑)