命売ります

三島由紀夫先生の『命売ります』を読了いたしました。


1968年に『週刊プレイボーイ』で連載されていた長編小説で

隠れた怪作小説

として、最近ブームになっている作品です。

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昨年2015年は三島先生の生誕90年に当たり、当初の重版は2000部だったそうですが、その後問い合わせが殺到し、7万部がさらに重版されたそうです。

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自殺に失敗した男が『命売ります』という広告を出し、自分の命を捨て売りしてしまおうとする物語です。

死ぬことを恐れない主人公と、彼を利用しようとする人間たちとの間に繰り広げられる騒動が描かれています。

現代社会における生と死や、次第に変化してゆく主人公の心理の逆説がハードボイルド調に表現されています。

これまでの、皆さんがご存知の三島作品とは全然違う気楽な小説です。

設定も吸血鬼とかスパイとかが登場するなどユーモラスで、崇高でナルシスティックな三島は本作では影を潜め、ひたすら大衆的でもあります。

うん!
面白かった!

お薦めです。